【事業再構築補助金】農業関連ではどういった事業が採択されているのか《事業再構築補助金2回目の結果より》

皆さんこんにちは、MISOマガ編集部です!


第1回の農業分野での結果まとめに引き続き、第2回目の結果まとめを作成しました。


今回も、採択案件一覧の中で、「農業」や「農園」というキーワード検索にヒットしたものの一部をまとめています。


また、それらの事例に共通する採択のポイントと考えられることについてまとめてみました。


それでは見ていきましょう。

「農業」や「農園」で検索して出てきた採択計画の一覧


第2回公募で採択された事例の中から「農業」や「農園」というキーワードで出てきた事例に関して、採択案件一覧を確認してみました。

商品開発や販路開拓に関する事業計画をメインに一部抜粋して以下にまとめました。

事業計画名

事業計画の概要

PIPPU リモートワークタウン計画~「農村とオフィスが繋がる」~
遊休地に、リモートワークを行うことのできる、施設・住居を建設。首都圏や大都市を拠点としているリモートワークが可能な会社員・フリーランス・個人事業主をターゲットとしてワーケーションを推進する。
地元希少牛乳使用、牧場直営の移動するソフトクリーム屋さん
放牧飼育する希少な種、ガンジー種・ブラウンスイス種の牛乳を原料としたソフトクリームをキッチンカーで販売する。牧場や飼育方法、母牛そのものの顔が見える特色ある商品開発であり、地域のアイスクリーム需要全体を押し上げる事業である。
IoTを活用した江別産野菜の非対面SCMによる販路開拓施策
北海道江別市の生産者(畜産・耕作・食品)と新たに連携したECモールを構築。IoT活用により野菜や特産品の調達・製品化し、EC販売から出荷までの流れを一元管理。データマイニングによる地域全体の増収を目指す。
農産物新規加工技術の導入とキッチンカーを用いた販売経路の拡張
コロナウイルスの影響で飲食店向けに生産していた加工商品の販売数が減少しました。生産しているかぼちゃの加工方法が2種類とバリエーションに乏しい為、新しいカットの技術を導入したいです。今後の販路は飲食店だけでなく、直接消費者に届けたいという思いから、キッチンカーで販売を行ないます。
イベント出店での農産物・加工品販売から農家レストラン・農家民宿への転換による売上拡大事業
農産物を加工しパンやスープを製造、イベント出店で販売していました。コロナ過でイベントが中止、売上が激減しました。自宅の一部を改修して、飲食営業許可等を取得し、里山体験・ランチ提供・農産加工物直売所・農家レストラン等を営業して売上を拡大したいです。
宇都宮のテロワールに合う『宇都宮ワイン』の開発と販売
宇都宮産ぶどうを原材料としたワインを醸造する。当社が培ったきのこ栽培の技術とノウハウを活用し、きのこや野菜、ジビエといった宇都宮産の山の幸に合うワインとして、市内の飲食店を中心に販路開拓を行う。
「イチゴ農家から観光業へ!観光農園スペースを新設し、地元名産品を六次産業化!」
新型コロナに伴う飲食店の営業自粛により、従来のイチゴ販売売上が大きく減少。そこで、自社の強みである多品種・高品質なイチゴを活用して、イチゴ狩りとイチゴ加工品の販売を開始する。そのために、イチゴ狩りスペースとイチゴ加工品の飲食・直販スペースを新設する。
つぼ焼き芋の移動販売・予約販売
農家直販でさつまいもを仕入れて、通年でつぼ焼き芋を製造販売する。店舗を構えるのではなく、移動販売車を利用して既存事業の顧客先駐車場等で販売する。その他、予約販売・EC販売も展開していく。
高崎市初 農家直営レストラン
直接消費者とつながることができる体験型農家レストラン。食と人と農の文化的なつながりを未来に伝承、発信するプラットホームとなる。SDGsの目標を踏まえ持続可能な農業のビジネスモデルを広めていく
既存の資源を有効活用したSDGs達成の取組としての薪の製造販売
SDGs達成目標に掲げた「緑」を守る事業として、現在廃棄されている(再利用されていない)木材を「薪」に加工し、販売する。コロナ禍による既存事業の売上補填の為、新たな事業による売上の柱の構築、雇用の増加を図る。
微細流米粉と新食感米粉パン・米粉ピザの対面販売型BtoCの展開
コロナ禍で取引先である飲食店の販売が減少。また、販路開拓の営業行為ができない状況。新たな販売チャンネルの構築のため、国道沿いに店舗を出店し、微細粒米粉と新食感パン・米粉ピザ等を販売し、売上増を図る。
完全予約制ブルーベリー観光農園事業の開始とレストハウス通年事業化
事業転換として新たに完全予約制ブルーベリー観光農園事業を新規に開始します。常時10種類(全40種類)の 完熟した美味しいブルーベリーを心ゆくまで食べ放題できる観光農園を開設、飲食業としてレストハウス通年事業化を目指します。
奥能登初の農家直営の米粉ベーグル製造で農村の振興を図る事業展開
既存事業である農業で生産した米を店舗で米粉に加工し、その米粉を用いて米粉100%のベーグルを提供するカフェ事業。他の農家からも直接仕入れ、ベーグルの販路を拡大させていくことで、奥能登の農村の発展を目指す。
無農薬野菜を活かしたバーベキュー、キャンプ、農場貸与事業
無農薬野菜卸売・直売はコロナ禍によって打撃を受けている。バーベキュー、キャンプ、農場貸与など無農薬野菜を軸としたアウトドアレジャー事業を新たに展開し、新たな顧客獲得による経営の安定と、地域経済への寄与を目指す。
ワイン産地で甲州ワインとともに味わうワイントンのブランド確立
川下分野に事業を拡大し、自然豊かな環境でワインを与えて育つ「ワイントン」を地元野菜や甲州ワインとともに味わう機会を提供し、ワイン産地「勝沼」から、直接、お客様にその魅力を伝えていく。
自農園の高品質フルーツの素材を生かしたジェラートの製造と直売
ブドウを中心に栽培する農家であるが、ジェラートの有名店に自農園のフルーツを原材料として納入したところ、非常に評判が良かったため、自らジェラートの製造と直売に参入し、第6次産業化を進めるものである。
新製品の製造を行い「信州りんご名産地」を100年200年後世まで伝え続けたい
インターネット購入の需要が高まっている中、強みであるりんご生産力を生かしお中元ギフト商品を製造しインターネット販売を行う。農園だからできる独自の商品(摘果りんごのコールドプレスジュース、ノンアルコールシードルやフルーツコンポート)を提供し新商品で収益力の強化し延いては産業、地域経済の持続性の土台となる取組みを目指す。またアフターコロナ時代に対応した安定的な売上向上を目指す。
農業から業種転換「充電(癒やし)と放電(仕事)を繰り返せるワーケーション施設」
都会のビジネスマンに向けた持続可能なワークスタイルの提案。部屋を増築、設備の導入、及びウェブサイトをリニューアル。ワーケーションに運動&農体験プログラム、オーガニックの食事を付け、「ワーケーションで健康になる」という付加価値を提供する。
静岡県産の農産物のみを使った無添加味噌製造業への進出
当事業は自社農園産の豆を使った味噌を製造できる体制を作り、新たに販売商品に加える事で、レストランを中心に配達等で野菜を販売してきた体制から、味噌や豆、米、などを組み入れた宅配事業に事業再構築を図り、増収、増益を目指すものである。
露天五右衛門風呂・わさび収穫などコト体験が満喫出来る伊豆随一のグランピング
女性起業家(こだわりのわさび専業農家)が、得意先旅館・飲食店等のコロナ禍による需要減の影響を受けた。コロナ禍で西伊豆に来る観光客が属性変化したことを踏まえ、わさび田を活かしたコト体験グランピング事業を立ち上げる。
トマト摘み、ピザ窯でのピザ作り体験による事業再構築の実現
浜松市北区にてトマトの生産、卸売りを営んでいるものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店などの農産物の需要が減り、相場の下落により、トマトの卸単価も下がり、収益の悪化。その状況を打破するため、トマト摘み、地元の農産物を使ったトマトピザ作り体験の新規事業を始めることで、販売単価アップを図り、収益の改善につなげていく。
規格外農産物等を活用した加工品製造および農家カフェ事業への参入
当園農産物である桃や梨は日持ちせず、収穫時や荷分時に規格外品やキズモノも発生し、低価格販売や廃棄処分している。それらを有効活用して加工品を製造・販売するとともに、現直売所に併設した農家カフェを運営する。
コロナ禍の観光ニーズを捉えた新型BBQサイトで業種転換を図る
当社ブルーベリー農園に隣接する造成地を活用して、コロナ禍でも足元業績が好調なアウトドアスタイルの新型BBQサイトを新設し、年間通しての開園、収益が確保可能な施設にバージョンアップし業績の倍増を目指す計画。
こだわり育成の松阪牛を直営店・EC展開により自社販売する新分野展開
既存事業の肥育農家から、コロナ禍で市場が拡大している精肉市場に対して直営店の出店及びECサイト構築により一般消費者に直接販売する新分野展開を行い事業再構築を図る。
オーガニック清涼飲料製造業への新分野展開事業
清涼飲料水製造業の許可を取得してハーブを利用したドリンクを開発し、新分野へ進出する。オーガニック認証を得て時代に沿った商品を提供し、巣ごもり需要に応じた非対面の事業を増やすことにより、売上高と付加価値額の増大を目指す。
ウィズコロナ時代の「いちご」観光施設構築と地域活性
コロナ禍で飲食店の営業自粛により、農産物の消費も落ち込み米価も数年規模で低迷すると予想される。新たにいちごハウスカフェを計画。カフェで提供するメニューと新商品開発のために加工・販売施設を建設。周年を通じた観光施設が完成し、近隣の観光施設と共に相乗効果を狙う。
梅果樹農作業から梅加工品へ事業転換を目指し梅菓子製造販売
健康に良い梅の活用を広めるために、取り掛かりとして「梅菓子(種抜き梅菓子、梅ピューレ)」を製造する。これに必要な設備一式を導入することを本事業として申請する。将来は、梅菓子等の食品製造業に転換を目指す。
きのこ生産者が挑戦する、レストラン&冷凍食品専門店の新分野展開
きのこ栽培から新たにレストランと冷凍食品専門店を展開する。軸になる冷凍は美味しさと品質が変わらない液体凍結技術を導入する。温めて提供するシェフの味が店内と自宅でも楽しめる。冷凍に特化した新しいビジネスを目指す。
採れたて果実&野菜のご当地ジェラートと農園クルーズのある直売所
これまでの主力販売先である首都圏、近畿圏の小売業者への卸販売から個人客にターゲットを移し、新たに「直売所」を要とした「農園クルーズ観光事業」及び「ご当地ジェラートの製造販売事業」への転換を行い、地域経済の活性化に取り組む。
小規模農家の挑戦!黒ニンニクの製造販売開始による新分野展開
新型コロナウイルスの影響で耕作物の流通が停滞し、売上が大幅に減少した。農業の作る、売る!というビジネスモデルから脱却し、付加価値を付けた黒ニンニク製造を開始し事業再構築を図る。
コロナに打ち勝て!身体ポカポカ「農家秘伝の万能生姜佃煮」EC活用で農業6次化
熊本の特産物・生姜の加工保冷施設の新設により、様々なアレンジ料理に使える「万能生姜佃煮」を製造し6次化を図る。EC販売のプロとのエージェント契約を締結することにより新規事業参入の収益の安定化を目指す。
[しいたけ狩り」もできる小さなキャンプ場兼BBQ場
今回、当社が取り組む事業はしいたけ生産者が運営するキャンプ場兼BBQ場です。既存事業であるしいたけを活かして「しいたけ狩り」もサービスに追加し、採れたてのしいたけをその場で食べていただく事で既存事業との相乗効果を図ります。
奈良ブランドいちご「古都華」を活用した6次産業化
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う飲食業界の低迷、今後の先細りを見据え、加工業(2次産業)及び農業(1次産業)への6次産業化を図る。奈良県の特産品である「古都華」という品種のいちごを活用し、地域活性にも繋げる。
日本梨を用いた6次産業への新分野展開
コロナダメージによる業績不振を打開するため既存事業に日本梨を用いた生産加工販売の6次産業をプラスし収益と雇用の維持増大を計画。さらに過疎地の新たな雇用を発生し、遊休農地の再利用や地域産業に貢献する。
ウィズコロナ時代の新式「イチゴ観光農園カフェ」で苫小牧活性化
北海道苫小牧市において夏イチゴをハウスで栽培し(高設栽培式)、そのハウスの中で来客がイチゴ狩りとカフェのサービスを一度に楽しむことが出来る、6次産業型の観光農園カフェを設立・運営する。カフェ入りハウス、生産用ハウスの他に加工用施設を建設し、これらを連動させて効率的運営を図る。余剰分の夏イチゴは他社に販売する。
アグリツーリズムとバーチャル体験を融合した「いちご観光農園」の運営と「加工品開発販売」
アグリツーリズム(リアル観光農園ツアー)とWEBサイトを活用したバーチャル体験を融合した「いちご観光農園」の運営と「いちご加工品の開発及び販売」に取り組むことで、地元南知多町の地域観光振興に寄与する事業を展開。
りんごシードルの開発と酒蔵ツーリズムによるD2Cへの業態転換
弊社は流通のほぼすべてを卸に依存しており、飲食店の営業休止などで深刻な打撃を受けた。そこで、本事業で新たに自社直販商品としてりんごシードルの開発と、テイスティングルームと販売所を開設し酒蔵ツーリズムを実施、及びECサイト開設することで、卸売から直販業態へと業態転換を進めていく。
糀甘酒を活用したバランス栄養食開発と、新生産体制導入による事業再構築
野菜や果実のスムージーと糀甘酒を合わせたバランス栄養食を開発することで、健康志向によって増加する発酵食品とスムージーのユーザーを獲得する。また直接販売に受託生産を組み合わせることで柔軟性・確実性の高い販路を確立する。
ウイズコロナ時代に対応するドライブスルー方式による新鮮野菜の提供事業
駐車場に倉庫兼野菜の受け渡し所を構え、ウイズコロナ時代に対応した非接触型キャッシュレス決済を活用しドライブスルー方式により、一般消費者に新鮮野菜の提供を行う。
深谷産の深谷牛、タマシャモ、野菜を使った土産品の製造販売
当社の強みをでもある、深谷牛・タマッシャモ・地元野菜の仕入れ力を生かした土産品販売を開始したいと考えている。現在の居酒屋形態以外の柱として事業展開を図っていく。

出典:事業再構築補助金 第2回公募 通常枠・卒業枠・グローバルV字回復枠 採択案件一覧【事業計画書の概要】


採択事例に共通するポイント


今回「農業」「農園」というキーワードで検索してきた事業計画に関して 


絞り込んだ結果を見てみると、分類としては「業態転換」と「新分野展開」が多かったように感じます。


第2回公募の結果を見ると、販路開拓はキッチンカーなどの移動販売や非接触型のEC販売に変更するといった計画が多いように感じました。
また、既存の資源や場所を有効活用した取り組みも増えており、例えば遊休地を有効活用したワーケーションの導入や、廃材の木の枝を薪に有効活用するなどの計画が見られました。
その他、観光農園を開始して近隣地域との活性化を図っていく取り組みもあり、新型コロナウイルスが収まった後の社会が循環していくように、物や人の流通を考えている計画の採択が多いように感じました。


以下に今回の事業計画で見られた内容を一部抜粋してまとめました。


・キッチンカーなどの移動販売、EC販売により販路開拓

・自社農産品を活用した加工品開発

・遊休地にワーケーション導入など、使っていない土地の活用

・新たに観光農園として活用し、近隣との相乗効果を期待

・既存の資源や廃材を活用した商品開発


1次生産者で事業再構築補助金を検討している方へ


今回は採択された事例の中から、「農業」「農園」といったキーワードで検索して出てきた事業計画を抜粋してご紹介しました。


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