6次産業化を行うメリットとは?

昨今、取り組む事業者の数が増加傾向にある6次産業化ですが、事業者はなにを目的に6次産業化を行うのでしょうか?

また、6次産業化を行う人はどのようなことをメリットと考えているのでしょうか?

日本政策金融公庫のアンケートをもとに考えてみました。


【日本政策金融公庫 2010年アンケートを元に作成抜粋】

1位「所得の向上」


堂々の1位は、「所得の向上」でした。


平成26年度の生産農業所得は2兆8319億円で前年度比で3.7%減少、農作物の価格低迷などが原因で農業所得は減少傾向にあると言われています。


TPPの締結による安価な農作物の流入による日本の農家への打撃も心配される中、第6次産業は、このような不安定な状況にある農業者の所得の向上による経営の安定化の手段として注目されています。


例えば直接販売が可能になることで価格を主導的に決定できるようになるために利益率が向上、市場の動向に左右されずに済むことによるメリットを実感した、という声もあるそうです。


「所得が向上し、経営が安定化する」というのが、6次産業化の1番のメリットだと言えるでしょう。


【農林水産省HPのデータを元に作成】

2位「農作物の生産拡大」


2位は「農作物の生産拡大(50.3%)」です。

約半数の人が、「もっと作って、もっと売るための手段」として、6次産業化を推し進めているのですね。

3位「企業経営の確立」

 
3位は「企業経営の確立(34.5%)」。



1/3以上の人がこれをメリットとして挙げていました。

具体的には「休日の適正取得」や「社会保険の整備」が挙げられており、家族経営が多い農業の法人化・その法人の安定を助ける手段としての6次産業化の存在を感じさせます。


特に、「1年の中で忙しさに大きな振れ幅がある」「冬には何もやることがない」ような農作物だと、従業員を通年で雇うことが難しい場合が多いです。


それを6次産業化することで、通年で仕事がある状態にでき、企業経営が安定する、という例も存在します。


こうしたことから、3位になっているようです。

4位「社員のやりがい向上」&「地域からの支援確保」

 
同着4位は「社員のやりがい向上(28.5%)」と「地域からの支援確保(28.5%)」!

「社員のやりがい向上」がメリットとして挙げられているのは面白いですね。

6次産業化は農家にとって「新しいことへの挑戦」の連続でしょうが、そうした「挑戦」が「やりがい」を向上させるのかもしれませんね。

「地域からの支援確保」にも注目です。

近年、県や地域で6産業次化を支援する動きが進んでいます。こうした支援を受けられる、というのも6次産業化の一つのメリットなのですね。



今回のアンケートは、あくまで「何をメリットの感じているのか」でしたが、その実情はどうなのか?本当に6次産業化で所得が向上するのか?

気になる人は、6次産業化の市場規模と認定事業者数の推移   〜農林水産省のデータから考えてみた〜をご覧ください!

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