【事業再構築補助金】農業関連ではどういった事業が採択されているのか《事業再構築補助金 第3回の結果より》

皆さんこんにちは!
MISOマガ編集部です。


この度、事業再構築補助金(第3回)の結果が公開されました。


今回も、「農業」や「農園」というキーワード検索にヒットした採択事例の一部をまとめています。


また、採択事例から考えた活用方法や、MISO SOUPなりの考察をまとめてみました。


それでは見てみましょう。


「農業」や「農園」で検索して出てきた採択計画の一覧


第3回公募で採択された事例の中から「農業」や「農園」というキーワードで出てきた事例に関して確認しました。

商品開発や販路開拓に関する事業計画をメインに、一部抜粋して以下にまとめましたのでご覧ください。

事業計画名

事業計画の概要

自社で作ったオーガニック野菜とブランド豚を使った総菜をEC小売・店舗販売することによる新分野展開
当社は主業務である廃棄物処理業のかたわら、食品残さを飼料化し養豚業をしている。本事業では豚のふん尿を堆肥化して作ったオーガニック野菜とブランド豚を使った総菜を作る食品加工事業と、それらをEC・店舗販売をする小売事業で6次産業に挑戦する。
自社生産果実を丸ごと使用したジェラート製造・販売の新分野展開
「生命力溢れる美味しい食べ物」である自社生産の新鮮なイチゴ、メロン等を使い、果物の旬を1年中楽しめる「果実そのままジェラート」の製造・販売に進出し、コロナ禍の影響で減収となった観光農園等の売上高をカバーして、一段の成長を目指す。
地産地消のフードロス削減でSDGsに取り組む農家カフェ事業
弊社のオリジナルブランド「灯籠蜜芋(とろみついも)」や、「天使のいちご」、機能性野菜(ファイトリッチ)を使用したカフェ事業を展開し、耕作放棄地の解消や熊本県内の観光農園と連携し、地域貢献に努める。
規格外野菜を利用したコールドプレスジュースの製造販売
規格外野菜を利用しコールドプレスジュースを製造。廃棄予定物に高付加価値を与えサブスプリクション販売すると共に農家への加工販売を行い、再販することで産地活性さらにはSDGsに寄与する事業への転換です。
屋外で体験型農園レストラン
循環型農園で苗植え、収穫、収穫したものでバーベキューやテイクアウトするといった食育を兼ねた体験を、お客様自ら出来るレジャー設備を整える。
体験農園付き手ぶらキャンプ事業の展開計画
ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた新分野展開として、体験農園併設の手ぶら利用可能なキャンプ施設を設営し、当社業況回復のみならず、地域経済活性化を図る。
心も身体も元気になる移動式青空レストラン
フードトラックを活用し、生産者(農家)の畑にトラックを横付けしテーブルなどをセッティングしてその場で収穫された野菜を調理し提供するレストラン「青空レストラン」や店舗の駐車場やマルシェでスープ、サラダ、コールドプレスジュースなどの販売出店いたします。
加工用装置および移動販売の導入とIT活用による6次産業化の実現
自然由来の肥料と農薬不使用のこだわり野菜の生産(1次産業)から、食品加工用装置を導入した食品加工(2次産業)と販売用Webサイトの構築と密を避けるキッチンカーによる加工商品の販売(3次産業)までを行い、6次産業化して農産物の価値を高め、事業を継続させるための取り組みを行う。
美味しさそのままに「北海道産野菜」を畑で採れたて新鮮加工
自社で生産した玉葱・トマトの加工を開始する。本補助金にて、加工場を建設し自社オリジナルブランド商品を生産。また、販売先開拓のためECサイトを設置する。
愛犬と一緒!ワーケーション滞在者向け宿泊施設の開設
現在の酪農と農作業受託のみではコロナ禍での給食の停止や飲食店の営業自粛、観光客の減少により大きなダメージを受けた。酪農と農作業受託だけの経営では突然の事態に対応できないと気が付いたため、今ある技術の中での新規事業を検討した結果、コロナ禍で急速に普及しているワーケーションに注目。地の利を生かした田舎暮らしや農業体験も行えるワーケーション施設の開設を行う。
2年,3年熟成メークイン化への雪室長期追熟庫の整備事業
2年、3年熟成メークイン化をする為に、北海道の雪を活用した保冷機能付きの長期追熟庫の整備を自社敷地内に行います。また、先端的なデジタル技術を活用したECサイトを構築し、付随したデジタルマーケティングに取組み、BtoB、BtoCの顧客体験の強化を行いながら新たな市場開拓をします。
既存事業の経営資源を活かした宿泊施設開設による新たな酪農モデルへの挑戦
酪農地帯でしか提供できない雄大な景観の中で、酪農業や中標津町の魅力を体感してもらう富裕層をターゲットとした宿泊施設を開設。新分野展開により酪農業の新たな可能性を追求するとともに、持続可能なビジネスモデルを構築する。
自家農園のりんごや各種果物等を直接消費者にお届けする販路開拓事業
百年続く専業農家が、丹精込めた自慢のりんごや各種果物等を直売所とECサイトを新たに設置して消費者に直接お届けするほか、収穫体験を通じて農業のすばらしさを発信します。これにより市況に左右されない販路開拓事業に挑戦します。
果樹園とワイナリー経営で6次産業化を推進する農業生産法人が、ヘルス・サステナブルツーリズムに取り組み、宿泊を伴う体験を提供
コロナ禍で落ち込んだ売り上げを回復させるため、少人数に対応した体験宿泊施設を新設。農業の知識を生かし、SDGsを意識したサステナブルな癒しの体験(アクティビティ)を提供することにより新規顧客を獲得し、直販率の高い安定した経営を目指す。
生き残りをかけた自社農産物の加工品製造業への業種転換
自社で生産する農産物を主に使用した加工品の製造と販売を行います。単価の低い規格品の使用と作業の代替えで、売上の拡大、利益率の改善を実現します。地域農産物を使用した6次化と地域の活性化を目指します。
体験・飲食施設・ミュージアムの併設による体験型観光体制の構築
竹林散策ができる観光農園内に「竹の工作体験施設」と自家製農産物を使った「農家カフェ」、竹への学びを深める「竹のミュージアム」をオープンさせ、新たな観光コンテンツを提供する。
イチゴ摘み取り園からスイーツショップへの新分野展開事業
自社栽培イチゴやグループ企業の㈱原田農園から仕入れた果実を使用したフルーツスイーツ・フルーツドリンク等を製造販売するためにカフェの建設と調理機械の導入を行う。
ウィズコロナ時代の体験型農業サービス
①わさびの体験型農業サービス
世界農業遺産・日本農業遺産に登録された畳石式わさび栽培のグランピング型収穫体験サービス
②複数農家の農業体験専門情報提供・予約サービスの開発・展開
日本全国の農業体験サビスを一つのサイトに集約し、一括で情報提供・検索・予約が可能になるWebサービスの提供
ポストコロナの収益拡大を目指す家族で楽しめる観光農園事業への進出
コロナ禍で増加しているガーデニング需要に対応するために、時間や場所に制約のある子育て世代も家族で楽しめる収穫体験や農業体験、ワークショップができる観光農園事業を開始して事業の継続・発展を図ります。
いちご狩り農園が行うドッグラン事業への挑戦
既存事業であるいちご狩りには多くの観光客が訪れていましたが、
東伊豆町という観光地、更にハウス内が密閉空間であることから当園の売上高は減少しました。
新規にドッグラン『屋外で愛犬と一緒に楽しめる施設』開園に挑戦します。
自家栽培の果実を使用したテイクアウト商品の開発による新分野展開
これまで直売所では、みかんや梨の季節販売をおこなってきたが、テイクアウト販売を新たにおこない、年間を通した販売をすることで直売所の固定客に利用していただくだけでなく、農園カフェ巡りが好きな顧客層など、新たな顧客を獲得していく。
自社製造のドライフルーツ開発とインターネット販売の強化
新たに加工施設をつくり、自社製造のドライフルーツを開発し、BtoCの販売を強化する。ネット販売を強化し、年間を通して販売できる新商品の開発をおこない、ポストコロナにおける非対面販売による感染拡大防止と持続可能な経営の両立を図る。
「食と農のツーリズム」による交流促進を目指す農園カフェ等の運営
観光農園好き消費者、SDGsに取組む行政や支援機関、金融機関向けに、当社オリーブ実やオイル、圃場近隣の農水産物、近隣学生や金融機関取引先と開発したオリーブ関連商品を活用した料理を提供する農園カフェ等を建設する。
いちご農園から農業資材の販売&加工品ショップによる六次産業化と法人化計画
これまでイチゴ農家としてJAに卸してきたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による買い物頻度の減少の影響が大きく、当園の売上高も減少傾向にある。そこで、今後は農業経営体として法人化することに加え、取引先から打診されている農業資材の販売、加工品ショップの出店等を通じて六次産業化を実現する。
シーカヤック!フィッシング!収穫体験!薪風呂!自然の魅力満載の体験型農家民宿への新分野展開
伊根町にある豊かな自然を生かして、川ではリバーカヤック、海ではシーカヤックやフィッシング、季節に合わせた野菜の収穫体験、夜は薪風呂にキャンプファイヤー等々、五感をフルに使って「遊ぶ」「食べる」「くつろぐ」を提供する体験型農家民宿を開業する。
自社農園で栽培する旬の野菜をふんだんに使った地域密着の農家食堂の運営
主に飲食店向けの農産物栽培を行っていたが、新型コロナの影響を受け取引が消滅。今後のウィズコロナの状況も勘案し、自社栽培の農産物を使用した地域密着の「農家の食堂」を開始する。これにより、売上と利益の拡大を図る。
地域の廃棄物を再利用した持続可能な菌体資材事業の立上計画
当社の主力事業である水耕栽培はコロナ影響を大きく受けた。実証実験段階であった菌体資材事業を早期に事業化し、製造設備投資実施で量産化を図り、新たな事業構築計画。廃棄物利用や有機JAS認定取得等、地域貢献にも寄与する。
主井農園による新しいチャレンジ 『m.citrus』柑橘に特化した飲食サービスの展開
自社農園で生産したみかん・オレンジ・レモンなどの柑橘類を使った2次・3次加工品の飲食サービスを展開する。レジャーに訪れる家族・観光客向けに、テイクアウト販売で短接触と短滞在のニーズに応え、地域経済の活性化に繋げたい。
農家のつながりを活かしたドライフルーツ製造による業種転換
「国産・無添加のドライフルーツ」というニッチ分野において地域トップシェアを目指すべく、農業の知識、周辺農家とのコネクションを活かし、1年を通した様々な種類のドライフルーツ製造に着手し、労働集約的ではない新たな事業の柱を構築する。
海外インバウンドに対応した体験・宿泊型観光農園への展開
新型コロナウイルスの影響により既存のぶどう販売の先行きが不透明である。ポストコロナを見据え、海外観光客も誘客できるよう宿泊施設を併設した観光農園事業を展開し、安定した高収益の事業を行う。
ヴィンテージバイク専門販売・修理業への業種転換
新型コロナウイルスの影響により、経営していたねぎ農家の売上が激減し、ねぎ農家としての継続を断念する事態となった。一方、コロナ禍において「3密」を避けて移動できる二輪車の人気に着目し、趣味で行っていたヴィンテージバイクの修理を本業として取り組むことを決意した。
桃と李の特級果実を使った長期保存可能なお菓子づくりで新分野展開
当園は桃とスモモを栽培し園地の一角で瓶詰め加工に取り組み主に飲食店様に出荷を行っていますがコロナで大きな打撃を受けました。長期保存が可能な果実菓子づくりで新分野展開を行い逆境を乗り越える事業です。
無農薬・有機栽培野菜を使った新たな糸島の観光資源づくり
未活用家屋を改装し、経営者の経験を生かせる無農薬野菜を使った料理、ドリンク、スイーツを提供する茶屋的な飲食店を開く。テイクアウト等の対応や野菜直売で、コロナ禍でも売上を確保する。
くだもの農家直営の『採れたて新鮮が特徴の古民家カフェ』
佐賀市大和町に取得した古民家を活かし、同町のくだもの農家である株式会社石橋果樹園が直営する、採れたて新鮮フルーツが特徴の古民家カフェ事業(カフェ&ショップ)の実現を図る。
自社飼育アグー豚のしゃぶしゃぶ店とマンゴーなどの特産品の物販
自社飼育の特性を生かしたアグー豚一頭の部位全てを使ったしゃぶしゃぶを柱とした豚肉料理店と、スペアリブやステーキ、地元産果実を使ったデザート・100%かき氷などの特産品を店舗の一角やネットでの販売。
糖度26のイチゴスイーツ&農園と自然の新・体験型テーマパーク
農産物加工施設建設によるイチゴ及び農産物加工品の製造販売。直売所併設の農園グルメで農園と自然の体験BBQ、体験宿泊(アグリキャンプ)等による農園とテーマパークを融合させた新・体験型レジャー事業を展開。
米作りひとすじ、地域の為に新たな課題であるSNSマーケティングに挑戦する農場
地域の農業活性化により、農業従事者の雇用促進と耕作放棄地を減少させるためにも、販路拡大が必要となっております。ECサイトとSNSの連携させたインフルエンサーマーケティング構築による新販売戦略で、ホームページに直接訪れなかった全国のユーザーにも商品を認知、購入してもらうことが可能となります。その結果、生産量、販売量の増加に伴い、雇用促進と耕作放棄地の減少が可能となります。
自社産果物を利用したスイーツ等の製造・販売及びカフェ営業事業
観光農業により培った100品種以上の栽培品目の強みを活かしたカフェメニューを開発し、SNSを多用している20~50代女性をターゲットに「贅沢を味わう」事の出来るカフェ店舗の新規事業展開を行う。
観光農園の強みと機会を活用した果実酒製造販売事業
自社栽培果実や周辺農家から仕入れた果実を使用したシードル・スパークリングワイン・ワイン等を製造するために、醸造所の建設・醸造設備の導入を行う。

出典:中小企業庁 事業再構築補助金 「第3回公募採択結果」(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/result.php



採択事例まとめ・考察


第3回目の採択結果は、
全体の採択数は9,021件(採択率 44%)
通常枠の採択数は5,713件(採択率 約37%)
でした。


採択率としては第1回、第2回と大きくは変わらない推移になっています。
第5回目も採択率は30%後半の推移かと予測されます。


農業分野で確認すると、第3回採択数は78件でした。
第1回58件採択、第2回71件と推移していますので、増加傾向かと感じています。


また、今回新開設の最低賃金枠は、469件応募のうち、428件採択で、採択率約80%とかなり高い結果でした。新開設枠は毎回高い採択率なので、第5回から開始の枠あれば狙い目かもしれません。


採択事例から考えた農業分野での活用方法


第3回の採択事例を確認し、農業分野で活用できそうな内容について考えてみました。
以下にいくつか例をご紹介します。


・キッチンカーなどの移動販売、EC販売による販路開拓

・農産品を活用した加工商品開発

・既存の資源を有効活用した取り組み。SDGsを意識した取り組み。(廃棄物をエネルギーなどの資源に再利用、規格外野菜をコールドプレスジュースにして廃棄を減らす。など)

・観光農園やキャンプ・レジャー複合施設への展開


MISOマガ編集部が考えた活用方法も一部ご紹介いたします。

・ドッグラン事業を新たに展開
→農地を有効活用する取り組みの一例として良いと感じました。コロナ禍で自宅時間が増えてペットを飼う人が増えた背景もあるため、今後需要があるかもしれません。

・SNSマーケティングを活用した販売促進
→ECサイトとSNSを連携させて、インフルエンサーも活用した新たな販売手法も考えられます。

・廃棄野菜を堆肥に再利用
→余った廃棄分を堆肥として再利用して販売する活用方法です。リモートワークで観葉植物・家庭菜園を始める人が増加している背景もあるため、今後伸びる可能性もあります。



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